干場良光のブリコラ日記

アート全般に関する忘備録です。

作品とコンセプト

現在の美術家は、それなりに教養ある人も多く、作品を作るだけではなく自分の作品のコンセプトを朗々と語る人も多い。40代、30代の美術家はヨーロッパの影響を受けた美術大学の教師により自分の作品のコンセプトを語ることも訓練されている様だ。日本にはその文化は無いが、西洋美術史は時代の精神を象徴するものとして芸術作品、芸術家は尊敬されるべきものとして存在し続けた。美術が表面の色や形だけでは無く概念や精神をあらわし、そのことが重要だとマルセル デュシャンの「泉」は証明した。

デュシャン影響もあり、現在の美術には言葉も必要だということになった。というわけで、若い美術家は自作のコンセプトを述べる様になった。それは、大学教育のせいでもある。若い美術家をdisるのは可哀想。それと90年代頃から批評家、評論家がいなくなった所為もある。

その代わり、キュレーターというのが出てきたが。