干場良光のブリコラ日記

アート全般に関する忘備録です。

想像、現実、象徴

アニメ誌で、『セーラームーン』の幾原邦彦監督がチョットいいことを言っていたんです。今の若いヤツらはすごく近いことか、すごく遠いことしか分らないと。自分の恋人との関係か、もしくは宇宙の破滅か、(それって、井上陽水の「傘が無い」の心境と共通」byほしば)、どちらかしかなくなっていて、中間がなくなっているというわけ。これは確かにそうだと思うんですね。で、それをどうしようかと本当に思います。つまりこれだと、ものを作れないわけですよ。ラカンの用語で言えば想像界現実界しかなくて、象徴界がないって話だから。ものを作るとか喋るっていうのは、一般的に中間で行われるわけでしょう。想像界現実界の間のサンボリックな、つまり象徴とか言語を使用してチョット知的なことを言ったりということは、全部その間にあることだから。その間のことが成立しなくなっていますよね。〜東浩紀『郵便的不安たち」より