干場良光のブリコラ日記

アート全般に関する忘備録です。

ウォーホル

彼が自作に対して、他者か介入したことや自分以外から来る条件に従って偶発的に成立したということを必要以上に強調する姿勢であり、芸術家が内面的な霊感に従って制作するという芸術家信仰やオリジナリティー崇拝を否定しようとする態度に他ならない。ウォーホルにとって作品は、作者の内面や個性と言った矮小なものがつくるのではなく、社会や時代といった外部が自然に反映されたものであることが理想的だったのだろう。 by宮下規久朗

 

誰でも同じホットドッグが食べられ、いつでも同じコーラの飲めるアメリカの大衆消費社会を愛し、それを讃えてきた彼が、平等な社会を実現しようとした共産主義に関心を持ったとしても不自然ではない。 by宮下規久朗

 

主体を消したウォーホルの作品が、一方では、個性が際立って見える。「無主体」が個性になってしまったのだろう。時代はまだ、「個性的」が美徳とされていたのだから。

また、個性を消したはずのウォーホルだが「銀色」を好んで用いた。銀色は無個性を象徴する色である。

 

1970年代の絵画や、版画の額縁は多くの人が銀色を好んだ様に思う。19世紀のでコラティブな額縁も違うし、個性は中身の作品が担うので、額縁は無個性が望ましかった。作品を引き立てるために。