干場良光のブリコラ日記

アート全般に関する忘備録です。

札幌国際芸術祭2017のコンセプト

=「無用の介」たちが跋扈した「札幌国際芸術祭2017=

<全てのモノは無用の用として存在することで、多様性と自由を獲得することが可能>

札幌市街地や郊外のあちこちに配された日用品は、壊れることによってその物質性が強調され前面化する。そこから物質が本来備えている多様な意味が現れる可能性がある。日用品は人間に使われてナンボのものだが、壊れることでモノの別用の可能性が見出され、再生することが可能になる。

サブタイトルの「ガラクタの星座たち」にあるように、ガラクタとなった壊れた日用品のモノの気が「モノの怪」となってこの世界を跋扈する。札幌の色々なところに展示されたモノたちは、壊れて「用」が外れることで、物質に内包された多様な意味が再生する可能性に満ち溢れたモノの一例として展開されていた。

 

「祭」の部分はコミュニケーションの形成や自由の教育のツールとして芸術は、有効活用できることを立証しようとしていたように見えた。

これらの「芸術」と「祭」の試みは会期中、会場のあちこちで多発的に行われた。